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トップ》特集》天竺浪女の『スローフード始めました』 第21回 |
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天竺浪女の『スローフード始めました』 第21回 |
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お粥がひと晩で濃く甘くなる!こうじの力って偉大です |
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山陰は湯村温泉の「杜氏館」で、酒造りの道具を見学したことがあります。年配の引退した杜氏さんが、麹作りから始まるドラマティックな技術を説明してくれました。
麹とは、食品作りに有効なカビの一種を米などに繁殖させたもの。清酒だけでなく、味噌や醤油、漬け物などにも使われます。
彼の語ってくれた麹作りは、米を蒸し、台に広げて冷まし、適温になったら種麹を振りかけます。それを山のように盛り上げておくのは保温するためです。発酵が進んで熱が出てきたら冷ますように小分け、更に乾燥のために木の容器の中でならすのだとか。湿度と温度を保つ工夫は、文字通り手間をかけることなのですね。
そうやって完成した上等なこうじは、触ってもぱらっと乾いた感じで、それでも中に水分を含んでいて、発酵の力が強いのだそう。「そんな麹を使って低温でね、時間をかけて醸すとね、きめの細かいおいしいお酒になるんですよ」と話す彼は、そのおいしいお酒を味見している瞬間のようなにこにこ顔になりました。
▼材料の一例

乾燥麹は、大きめのスーパーで手に入ります。豆腐などが並んでいる冷蔵ケースにあることが多いようです。
味噌や漬け物がそれぞれの家庭で作られていた頃、麹も家で作ったり、近所に売っているものだったようです。田舎に行って「○○麹店」なるお店を見かけたことがありますが、もう商売はしてなくて看板だけが残っている状態に思えました。麹を使う保存食を手作りする人が減ったからでしょう。
砂糖は使いません。もち米のでんぷんが酵素によって分解され、甘くなります。この作用は「糖化」と呼ばれます。酵素に働いてもらうために、50〜60℃に保温する必要があります。今回は保温ポットを使いました。
▼楽しい作り方(所要時間 作業した時間は30分ほど)
洗ったもち米を炊飯器に入れ、カップ5杯の水でお粥に炊きます。お鍋で炊いてももちろんOKです。
米こうじを揉んでひとつぶずつばらばらにほぐしておきます。
ぬるま湯を400cc入れ、ほぐしたこうじを加え、良く混ぜます。お粥の温度が60℃になるよう、ぬるま湯の温度を調節してください。
保温ポットを熱湯で消毒しておきます。温めたポットに3を入れ、50〜60℃を保ちながら12〜15時間、糖化させます。
やや色づいて、甘くおいしくなっていたらできあがりです。そのままだと甘すぎるので、お湯で薄めていただきます。お好みで、すりおろしたしょうがを加えてください。
このまま置いておくと、すっぱくなってきます。全部飲みきってしまわない場合は、鍋でひと煮立ちさせて糖化をストップさせます。冷ましてから冷蔵庫で保存し、早めにお召し上がりください。
▼完成&試食タイム
できた甘酒をまずはそのままいただきます。ほんのり黄色く色づいた水分の中に白く見える米粒は、麹のものだと思われます。
とっても甘いです。砂糖の味と違って重い濃厚な甘さです。先入観があるせいか、若干ひなたくさくも感じますが、それも甘さにとけ込んでいます。たったひと晩でこんなにお粥が甘くなるなんて、麹の力を思い知らされました。
同量程度のお湯で割ると、飲みやすい甘さになります。体になじむ甘さで、とっても温まります。米粒の食感も変化が楽しめていい感じです。市販の甘酒とは別物です。簡単ですので、麹を見かけた時に是非手作りしてみてください。
その杜氏さんは「うまい酒しか飲めない」自分だからと、老人会の集いの場でも日本酒しか飲まなかったそう。「この頃日本酒は人気がなくて残念ですよ」と寂しそうでした。
あるとき焼酎を勧められ「俺はそんな酒飲めないよ」と断ったのだけど、意固地になるのもおもしろくないから、と飲んでみたそうだ。「これが結構美味くてねぇ」と笑い話にされたのを印象深く思い出します。
丁寧に麹を育て、心を込めて酒造りをしてきた彼の笑顔。人生の年輪を丁寧に刻んで来た人なんだなと思ったら、自分のがさつさを振り返ってちょっと反省です。でも、そんな人と出会えて話せたことが、甘酒をつくってみるきっかけになったこと、甘酒で体が温まるように、感謝して気持ちがあったかくなります。
| 天竺浪女プロフィール |  | 吹きすさぶ貧乏に身をまかせ、愛を求めてWebをさまようヒッピー。ちょっとぽっちゃり、健康診断で中性脂肪多めを指摘されるも、「それは体質でしょうね」と言い返したらしい。奈良市在住。 | | 「シングルママの極楽貧乏生活」 (1,400円 亜紀書房刊) |
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